【「告白」湊かなえ】自分のクラスの生徒に娘を殺された教師による衝撃の復讐劇【ネタバレ感想】

ライフハック
おすぎ
おすぎ

今回の小説「告白」湊かなえ

はこんなお話です。

  • イヤミスの女王とも言われる湊かなえのデビュー作
  • それぞれの登場人物が複雑な環境と感情を抱えて絡み合う
  • 復讐劇は終わらない。衝撃のラスト。

著者の紹介

湊 かなえ(みなと かなえ)

1973(昭和48)年、広島県生まれ。

2007(平成19)年、「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。

翌年、同作を収録する『告白』が「週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第1位に選出され、2009年には本屋大賞を受賞した。2012年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門、2016年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。2018年『贖罪』がエドガー賞候補となる。

他の著書に『少女』『Nのために』『夜行観覧車』『母性』『望郷』『高校入試』『豆の上で眠る』『山女日記』『物語のおわり』『絶唱』『リバース』『ポイズンドーター・ホーリーマザー』『ブロードキャスト』、エッセイ集『山猫珈琲』などがある。

あらすじ(ネタバレ無し)

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。

語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した。

深読みポイント

それぞれの人物から描かれる事件の全体像

犯人である生徒は2人。

一方は母親が過保護のように手厚く扱ってくれるが、一方は母親が家出。

正反対のような環境ではありますが、それぞれ心に歪みを与えて、事件へとつながっていきました。

モノローグ形式でそれぞれの犯人から事件について描かれるため、事件の背景にあった犯人たちの環境や感情を知ることで、単純な事件でないことが分かってきます。

担任であり、娘を殺された母でもある森口先生は、どこまで考えていたのでしょうか。

それぞれの登場人物の思いやたくらみ、関係性に注目です。

おすぎ
おすぎ

思春期のただでさえ不安定な時期に、複雑な家庭環境。

それを考えると少し、犯人たちにも同情しちゃうなあ。

およこ
およこ

森口先生も、担任として、母として、どうするべきかを語っていたわね。

一辺倒に少年だから、ということに疑問を抱いていたし。

おすぎ
おすぎ

森口先生の視点からでは見えなかったところが徐々に明らかになるのはミステリーとしてとても面白く、完成度の高さを感じたね。

森口先生の復讐はどこまで?

森口先生は修了式でこのように語ります。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」

この告白によって、犯人はクラスの全員から知られてしまいました。

それだけでなく、森口先生は犯人たちにある復讐を仕掛けておいたのです。

その後、犯人たちは森口先生からの直接的な復讐に限らず、様々な苦悩を強いられます。

森口先生の復讐はどこまでなのか。ラストまで目が離せません。

およこ
およこ

表紙絵の上側、牛乳だったのね。

意味を知ったとき、衝撃が走ったわ。

おすぎ
おすぎ

ヤバい登場人物は色々いるけど、森口先生が一番ヤバいんじゃないかと思う。

教師でもあり、親でもあり、森口先生も複雑だったんだね。

感想(ネタバレ無し)

第一章はひたすら、森口先生が告白をするシーン。

生徒に語りかける描写はあるものの、全て森口先生のセリフになっています。

娘を殺された激しい怒りは文字としてあるものの、一貫して淡々と事件の全容を語ります。

ただ、森口先生の怒りは復讐という形で物語の終盤まで続きます。

学級という特別な環境、思春期で不安定な環境をもつ犯人。

それぞれの要素が絡み合い、ドロドロとする展開には賛否両論ありますが、完成度の高さを感じる物語でした。

おすぎ
おすぎ

イヤミスで気分が重くなると噂だったけれど、読んでみると先が気になってすらすら読めました。

個人的には衝撃のラストまで、気持ちよかったですが。

およこ
およこ

他の作品の「未来」と比べても、だいぶ展開が重いわね。

最後の最後まで、救われない感じがあったわ。

おすぎ
おすぎ

この先はネタバレ感想なので、読んでない人は注意してください!

【注意】ネタバレ感想

犯人たちの複雑な思い

犯人である少年Aと少年Bはそれぞれが複雑な環境から、複雑な心理を持っていました。

少年A(渡辺)

幼少期に、研究者の母から暴力を振るわれ、母は家から出て行ってしまう。研究ではなく少年Aを優先したことによる暴力であった。

少年Aは出ていった母に振り向いてもらうため、科学を使用した過激なサイトを設立したり、科学のコンクールに応募したりと試行錯誤をした。

最終的に辿り着いたのは、科学を使ったことによる、犯罪者となって名を上げることだった。

少年B(下村)

母親から過保護のように手厚く育てられる。幼少期は様々なことで褒められることにより、自尊心が高くても問題なく生活できていた。

しかし、中学校に入ってからは理想と現実のギャップに苦しむ。母親も優しい所しか褒めてくれず、学校の友達とも、教師とも良い関係を築けずにいた。

そんな中、母親のモンスターペアレントに近い行動にも嫌気を覚えている状況。少年A(渡辺)からは脳無しのくせに、プライドだけ高いとさえ言われる。

少年Aは、ただ母親に認めてもらいたかった。しかし、母親は...。

少年Bは、少年Aと友人に近い関係になれて嬉しかった。ただ、実際は...。

起こした行動は間違いでしたが、背景を見ると同情したくなる気持ちもあります。

でも、彼らの結末を見ると、何1つ報われなかったんだな、と切ない気持ちにもなります。

おすぎ
おすぎ

全てが裏目にでるような印象だよね。

報われるべき存在では、ないとは思うけど、ただ少年院に入るよりも過酷。

およこ
およこ

彼らだけの責任じゃないとは思うけど。

きっと、現実の問題もその人だけの問題じだけじゃなく、様々な事が絡むのよね。

おすぎ
おすぎ

世の中の犯罪者として扱われる人たちも、本人に限るわけじゃなくて、家庭や職場の環境も大きく関わってきているんだろうね。複雑な世の中だなあ。

森口先生は最後の電話で復習の真相を打ち明ける

少年Aは母親の真相に気づき、ショックをうける。母親に褒めてもらう、認めてもらうことを求めていたのに、これでは意味がない、と。

最後に、母親への復讐を試みます。体育館の爆破と大量殺人として名を残すことで

決行しようとした全校集会。

非通知からの電話を受け取ると、森口先生から少年A、少年Bへの復讐劇の全容を明らかにします。

全て、森口先生の掌の上だったのです。

計画に

多少の誤差はあったものの、森口先生は彼らを許す気などなかった。

そして、少年Aへの最後の復讐が始まります。衝撃のラストでした。

結末として、誰しもが幸せになることはなかったのではないでしょうか。復讐された側も、復讐をした側も、さらには、事件に関わった人たち全て。

法に裁きを委ねたくなかった森口先生の気持ちも分かります。

ただ、どう転んでも、誰も幸せにはならない。救われない物語だったという読後感は変わりません。

おすぎ
おすぎ

物語が面白くて気にならなかったけど、振り返るとものすごく重い話。

森口先生の執念は異常に感じるよね。

およこ
およこ

森口先生も犯罪者に感じるわよね。

登場人物の皆が道を外れて、皆が不幸になるとは。

どうしたらよかったのかしら。

おすぎ
おすぎ

世の中にも、このような救われない思いを持つ人も多いんだろうね。

復讐が復讐を、争いが争いを生む。

頭ではわかっていても、心は納得しないよね。

コメント

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