
今回の書籍「スタンフォード式疲れない体」山田知生著
をおすすめす人は以下の人たちです。
- よく分からないが、体が疲れていると感じる
- 睡眠と食事に気をつけているのに疲れを感じてしまう
- 自分のパフォーマンスをより発揮できるようにしたい
本書のポイント
- 疲れにくいためには予防と回復の2つのポイントが重要である
- 最もアプローチするべきは体圧であり、呼吸方法である
- 回復方法は他の書籍でも同様のアプローチが多い
心に残った言葉
- 「疲れを予防する」+「疲れを解消する」
- 疲労とは「筋肉と神経の使い過ぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態
- 人はみな、赤ん坊のときに「お腹の圧力を保ったまま呼吸」していた
- 筋トレや体幹トレーニングだけでは、体の中心をしっかりさせて整えることはできない
- 疲れない思考様式が存在する(記事では扱いません)
著者の紹介
山田 知生(やまだ ともお)
スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクター、同大学アスレチックトレーナー。
1966年、東京都出身。24歳までプロスキーヤーとして活動した後、26歳でアメリカ・ブリッジウォーター州立大学に留学し、アスレチックトレーニングを学ぶ。同大学卒業後、サンノゼ州立大学大学院でスポーツ医学とスポーツマネジメント修士号を取得。
2000年、サンタクララ大学にてアスレチックとレーターとしてのキャリアをスタートさせ、2002年にスタンフォード大学スポーツ医局にて15年以上の臨床経験を持ち、同大学のアスレチックトレーナーとして最も長く在籍している。
これまでに、野球、男子バスケットボール、男子・女子ゴルフ、男子・女子水泳チームなどを担当。
2007年にアソシエイトディレクターに就任した後は、臨床開発で大きくスポーツ医局に貢献、同局プログラムのさらなる改革・促進に取り組んでいる。アメリカサッカーU21代表チーム同行経験を有する。
スタンフォード大学のスポーツ実績
スタンフォード大学は「世界最強スポーツ大学」の呼び声高く、世界から有望なアスリートが終結している。NCAA(全米大学体育協会)のランキングでは、23年連続総合1位を獲得。
- ケイティ・デレッキー(女子水泳、19個の金メダルを獲得)
- シモーン・マニュエル(米国アフリカ系女子水泳選手として初のオリンピック金メダル)
- タイガー・ウッズ(男子ゴルフ)
- マイク・ムッシーナ(野球)
- ジョン・マッケンロー(男子テニス
そもそも”疲れ”って何?
スタンフォード大学が考え抜いた”疲れ”とは?
疲労とは「筋肉と神経の使い過ぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態である
具体的には以下の3つに分けられます。
- 脳神経由来の疲れ(自律神経と中枢神経)
- 筋肉の疲れ
- 内臓の疲れ(消化や吸収)
多くの人が疲れていると感じるのは、1つ目の脳神経由来の疲れです。
自律神経と中枢神経、簡単にまとめると、これらは脳と体をつないでくれる大切な神経です。この神経が疲れてしまうことで、思ったように体が動かない、体が重くてだるいと感じるようになります。
ここでさらに疲れさせてしまうのが「体の歪み」です。
ただでさえ、脳の指令が体に伝わりにくい状態に体の歪みが重なることで、さらに脳が疲れてしまいます。
そこで、「体内の圧力を高める」アプローチが重要になるのですが、これは後ほど説明していきます。
3つめの内臓に関しては、食事の項目でお話しします。

疲れって聞くと、体が疲れているっていう感覚しかなかったけど、詳しくみると細かいね。
疲れを感じるまでに様々なことが起こっているんだね。

何か1つが原因っていうわけでもないから難しいわよね。
夜勤明けとか、どうしようもないとしか言えないし。

あなた”疲れ”を判断する4つのチェック!
「脈」がいつもと違う
安静時の自分の脈拍は知っていますか?
アスリートでない一般的な人の脈拍は、70~80程度とされています。
ここで、いつもの自分よりも脈拍が速かったり、逆に、遅かったりした場合は疲れやすい体になっている可能性が高くなっています。
水泳選手のアスリートだと、常に運動時に近い脈拍が疲労のサインになる場合もあるそうです。
「いろいろな時間」に寝たり、起きたりしている
「睡眠時間が短い」「朝起きてもすっきりしない」これらは明らかな疲れのサインです。
寝る時間が不規則だったり、起きる時間が不規則だったりするのは自律神経に大きな負荷がかかります。
就寝時間、起床時間がずれ始めているのは疲れのサインかもしれません。

金曜日にかけて起きる時間が遅くなっていきます。
これは疲れのサインです。

私は不規則な生活リズムもあるから何とも言えないけど、昼寝しちゃうことかしら。
これもリズムが崩れている証拠の1つになるのかしら。
「腰」が痛い
脳は常に体のバランスをとろうとします。
例えば、肩が前に偏ると、腰を反らせてバランスを合わせようと中枢神経が指令を出します。
腰は体の要ということもあり、複数のダメージが溜まっている可能性が高いです。
腰痛で悩まされる多くの人は、脳と体の疲れが腰に現れているのかもしれません。

私、若干、反り腰なのよね。
お腹周りの筋肉が弱いからだと思っていたけど。

本来、正しく配置されている体だから、筋肉の強弱ばかりじゃないのかな。
どこかで体が歪んでいる可能性があると思うけど。どこなんだろう。
「姿勢の歪み」は本書のキーワードだからまた後程!
「呼吸する場所」を間違えている
胸だけで浅い呼吸をしていると2つのデメリットが発生します。
1つ目に、酸素不足による疲れが発生します。
胸呼吸で十分な酸素が取り入れられないと脳や体に酸素が行き渡りません。その結果、「頭がぼーっとする」「肩こりがとりづらい」といったことがおきやすくなります。
2つ目に、「姿勢の歪み」による疲れが発生します。
常に胸で呼吸をしていると、「体を支える筋肉」を使えていません。その結果、体幹と脊柱が支えられず安定しなくなります。これは、家の中心となる柱がグラグラしている状態と同様です。
さらにここから引き起こされるのは「姿勢の歪み」と「脳神経由来の疲れ」の負のサイクルです。
だからこそ、呼吸方法がポイントとなってきます。

本書はこの呼吸法がメインの本です!
是非、日常生活で不可欠な動作だからこそ、意識して呼吸してみてくださいね!
詳しい方法を今からご紹介していきます。
”呼吸法”が疲れを予防する!「腹圧呼吸」とは?
あなたはどんな呼吸方法?
疲れない呼吸方法としては「腹圧呼吸」をすることが望ましいとされています。
しかし、「胸式呼吸」「腹式呼吸」「腹圧呼吸」と様々な呼吸がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。また、あなたはどの呼吸方法に該当するのでしょうか。下の表にまとめてみました。
胸式呼吸 | 腹式呼吸 | 腹圧呼吸 | |
吸うとき | ・肺に息をいれようとする ・胸が膨らみ、肩があがる | ・お腹に息を入れようとする ・横隔膜が下がり、お腹が膨らむ | ・腹式呼吸と同様 |
吐くとき | ・胸が縮み、肩が下がる | ・お腹をへこませながら吐く ・横隔膜が上がっていく | ・お腹を膨らませたまま吐く ・横隔膜を下げたままにする ・お腹周りが固くなる |
腹圧呼吸とは、吐くときもお腹を膨らませ、高い圧力がある状態にすることです。
また、お腹を引っ込める呼吸である胸式呼吸と腹式呼吸は、筋肉をひたすら内側に収縮させて深く息を吸うため強い負荷が疲労をためてしまうとされています。

私はどちらかというと腹式呼吸だったわね。
腹圧呼吸ってすごく不自然な呼吸方法じゃない?
吐くときにお腹を膨らませておくって。

最初はわけがわからなかったよ。(笑)
自分はもともと胸式呼吸だったし、こっちのほうがたくさん吸えた気がするんだ。
でも、実際にはこの胸式呼吸が疲れる原因。直してる真っ最中です。
腹圧を高める呼吸「腹圧呼吸」のメリットとは?
- 腹圧が高まることで、体の中心(体幹と脊柱)が安定する
- 体幹と脊柱が安定することで正しい姿勢になる
- 正しい姿勢によって、中枢神経と体の連携がスムーズになる
- 連携がスムーズになることで無駄な動きがなくなる
- 体のパフォーマンスレベルが上がり、疲れや怪我も防げる
腹圧呼吸による「姿勢の歪み」を整えることが疲れを取り除き、本来の力を引き出すことに繋がります。
疲れにくい体のためには呼吸方法と姿勢の歪みに着目することが重要であり、その中でも腹圧呼吸へのアプローチが非常に効果的であるとされています。

呼吸だけでこんなに変わるなんて。
世界観はどこかの人気漫画ね。

1日に3万回する呼吸だからこそって感じだね。
少しでもいいから意識していけるといいと思うよ!
腹圧呼吸をするための実践「IAP呼吸法」
腹圧呼吸の最も特徴的な動きは、お腹を膨らませながら吐くことだと思います。
専属のトレーナーもおらず、文字だけでは分かりづらい。
そこで、腹圧呼吸をするためのトレーニング「IAP呼吸法」があります。
※IAPとはIntra Abdominai Pressure の略で、「腹腔内圧(腹圧)」です。


まずはこのトレーニング方法から実践してみてください。
慣れてくると、立ちながら、歩きながらできるようになっていきます。
これが少しずつ日常にできると、1日3万回する呼吸が変わり、大きな変化になるとされています。

おすぎも実際に練習中です!
今は立ちながら、歩きながらでもできるので、日常生活の大半を腹圧呼吸できています!
肋骨の下の筋肉?横隔膜がぴくぴくしてましたが。(笑)

最初は意識しなくちゃいけないから集中力が高まったんだっけ?(笑)

そう。(笑)
でも、この呼吸を始めてから、次の日の寝起きが抜群に良くなったんだ。
しかも、疲れも感じづらくなってすごく驚いた。
もともと胸式呼吸だったから、より違いを実感できるようになったのかも。
スタンフォードのアスリートが実践する回復方法
動的リカバリー
体を動かすことが、体のズレをリセットさせる
「働き過ぎて疲れた日」は「体を動かせていない日」であることも多いのではないでしょうか。
体を動かすことで血液の流れが促進され、脳の筋肉に多くの酸素を送り込むことができます。結果的に疲労物質を体の外へ出すことができます。
それだけでなく、運動をすることで交感神経が活発になることで、その後、副交感神経が優位になります。つまり、意図的にリラックスを作り出すことができるのです。
ここにIAP呼吸法を取り入れることによって、さらに体のズレをリセットすることができます。

運動することが脳や神経に良いことは記事でも紹介しました!
よかったらこちらも見てくださいね!

回復浴
「冷水」と「温水」に交互に浸かる「交互浴」
交互浴には血流が良くなること、自律神経のバランスが整うことの2つのメリットがあります。
しかし、日常生活で「冷水」と「温水」を用意することは難しいですよね。
そのため、湯舟と冷水シャワーで交互浴をすることができます。
もちろん、銭湯に行って交互浴を試したり、サウナに入ることができればベストだと思います。
睡眠回復術
IAP呼吸法や交互浴を行って睡眠の質を高める
結論から言うと、量だけでは疲労を回復することが難しいということです。
睡眠は回復のために必要不可欠な要素ですが、十分眠っている人でさえ疲れを感じると言われています。
そのため、睡眠の質をいかに上げるかが重要になってきます。

スタンフォード大学の最高の睡眠方法はこちらの記事にまとめてあります!

疲れにくい体を作る抗疲労食事術!
アスリートも実践!意識するべき食べ方とは?
スタンフォード大学のアスリートは疲れない食事のために以下を気を付けています。
- 満腹ではなく腹8分目くらいまで
- ビタミンとたんぱく質を意識して摂取する
- 炭水化物は”白”よりも”茶色”を(糖質を下げる)
- たんぱく質:炭水化物=3:1
また、以前紹介した記事と同様の内容が書かれています。疲れない体も、食事術も通じる部分が多いということが分かりました。
本書でも「血糖値スパイク」が話題に上がっています。

アスリートでさえも、糖質の取り過ぎは体に良くないのね。
疲れにくくするためにも、適切な食事方法が重要なのね。


疲れさせてしまう「禁断の疲労食」
お菓子や清涼炭酸飲料を避ける
お菓子を消化するためにはビタミンを多く使用されてしまいます。また、腸内環境を壊す可能性も秘めていることから、体の疲れをとることに適していません。
同様に、清涼炭酸飲料も同じことが言えます。
「血糖値スパイク」を避けるためにもこれらはアスリートからも敬遠されている食品たちです。
まとめと感想

今回は疲れに関する記事でした!
呼吸方法だけで生活がラクなものに変化して幸せを感じています。
体や睡眠にどう活きているのかはまだ感じていませんが、皆さんも試してみてくださいね!

1日に5分程度だけでも効果があるなら、いつでも、どこでもできそうね。
正直、睡眠や食事まで気を張ると疲れそうだから、呼吸ならできそう。
どんな効果があるのか、私も試してみようかしら。

およこさんがやろうとするということは、かなり取り組みやすいはず。(笑)
呼吸方法に限らず、様々な側面から疲れを予防、回復する方法があるので、興味がある人は実際に手に取って読んでみてくださいね!
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